当院ではiridex社のIQ577ピュア・イエローレーザーを導入しています。
このレーザー凝固装置の特徴は、従来のイエロー・レーザーによる光凝固に加えて、
マイクロパルスによる閾値下凝固が可能という点にあります。
レーザー光凝固では、脈絡膜から網膜の外層にかけて広範囲に組織障害をもたらし、
感度低下を引き起こす可能性があります。
その為に黄斑部付近への光凝固は視力良好の場合には(0.5以上)更に低下する危険から、
適応は制限されてきました。
マイクロパルス閾値下凝固は、凝固斑が出ない低侵襲なレーザーで、色素上皮を選択的に
凝固可能なので(凝固と言うより、レーザー光による光化学的な刺激を与える様です。)、
凝固後に瘢痕の拡大や暗点の出現を認めることはありません。
実際に黄斑浮腫や中心性網脈絡膜症に用いた所、最速では一週間で浮腫が吸収されました。
今までは黄斑浮腫には抗VEGF薬やステロイドが治療の中心でしたが、
今後はこの治療法が主流となると思われます。
左はマイクロパルス照射前と照射後のOCT画像です。
組織にダメージがありません。
通常のレーザー凝固班と比べて下さい。