その1
裂孔原性網膜剥離は
年間約1万人に一人の頻度で発症します。
強度近視の場合には
その発症頻度が約10倍にも上るので、
近視の方は注意が必要です。
一般的に若年者では
網膜の萎縮が主因となる
格子状変性巣内の
円孔からの網膜剥離が多く、
高齢者では硝子体牽引が
主因となる弁状裂孔による
網膜剥離が多い、
とされていて、その為に
発症者の年齢分布は
20台と50台の2峰性となります。
高齢者は硝子体が既に萎縮しているので、
進行は急速です。
下記の症例では、
近医にて網膜格子状変性を指摘され、
定期検査を受けていましたが、
ある日突然に
カーテンが下りてきたような感じがして、
当院を受診されました。
眼底写真で上方に
胞状の網膜剥離が映っています。
散瞳の後、
SuperQuad160レンズで
眼底周辺部にいたるまで精査しました。
ご覧のように網膜に裂孔が生じています。
これが剥離の原因となっています。